お久しぶりです!おくでぃです。今回は瀧本先生のおすすめ読書姿勢を余すこと紹介します!
読書は格闘技である
皆さんは本をどのように読んでいますか?
小説ならば登場人物を頭に思い浮かべながら、脳内の舞台上で動かして楽しむ。
ビジネス書ならば自分が課題に感じている部分をピンポイントでかいつまんで行動に落とし込む。
速読の人もいれば遅読の人もいることでしょう。
また人それぞれ読み方には癖や特徴もあることでしょう。
瀧本先生は読書についてこのように語っています。
読書は格闘技
なかなか印象的な言葉ですが、これはどういうことなのでしょうか。
詳細は以下の通りです。
書物を読むとは、単に受動的に読むのではなく、著者の語っていることに対して、「本当にそうなのか」と疑い、反証するなかで、自分の考えを作っていくという知的プロセスでもあるのだ。
世の中に絶対正しいというモノゴトは少なく、大半は相対的に正しいと思われて採用されているに過ぎません。
今日正しかったことが明日は正しくなくなってしまうかもしれない。
だからこそ、著者の主張と自分の主張を戦わせて、自分の頭でどちらが相対的に納得できるか考えたほうが良いと著者はときます。
ショーペンハウアーの警告
読書術関連で必ず出てくるのがショーペンハウアーの『読書について』です。
彼はこの本で読書に対してものすごく批判しています。
「読書は、他人にものを考えてもらうことである。1日を多読に費やす勤勉な人間は、しだいに自分でものを考える力を失って行く」
うーん・・なかなか耳に痛い言葉です笑
知りたい!だから本を読むのですが、読めば読むほど知識は増えども、考える力はなくなっていく。。
他人の主張でしかない本をただただ読むと、他人の主張を頭にぶちこんでいるだけ。
そうではなく、自分の頭で考える工程も間に差し込むことをすすめています。
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著者のおすすめ読書術
ショーペンハウアーの警告を踏まえて、著者が提唱する「読書は格闘技」は以下のように実践していきます。
あるテーマについて、全く異なるアプローチの本を二冊紹介し、それを批判的に、比較検討するという形態で話を進めていこうというものだ。
Aという本とBという本を読んで、批判的に比較検討し、自分の見解を形つくっていく。
自分は読者として戦いに出ている選手であり、ジャッジもするので審判でもあります。
ただの観客でいることは許されず、主体的に動くポジションに陣取ることが、この読書術の特徴と言えることでしょう。
試合ラインナップ
本書ではイントロダクションを経て、以下のテーマで二冊を比較検討していく構成になっています。
- 心をつかむ
- 組織論
- グローバリゼーション
- 時間管理術
- どこに住むか
- 才能
- マーケティング
- 未来
- 正義
- 教養小説
- 国語教育の文学
- 児童文学
ここでは最初の「心をつかむ」についてご紹介しましょう。
『人を動かす』VS『影響力の武器』
「心をつかむ」というテーマで比較検討されるのは名著として有名なこの二冊。
人は常に他者の協力を必要としており、生活している間、実は人を動かすことに労力を割いています。
赤ちゃんが泣くのは、他者の気をひく最強の武器ですし、他者を味方につけるために我々は試行錯誤しています。
なかでも最も有名な本はデール・カーネギーの『人を動かす』でしょう。
世界で2千万部以上売れている怪物本。
ですが中身は意外とシンプルなのをご存知でしょうか。
「人を変える九原則」と銘打っていますが、「まず褒める」「遠回しに注意する」「期待をかける」など、一見大したことのない内容のように思えます。
しかし、例題が現代とはかけ離れているので、読者は読んだら自分や現代の出来事に当てはめて考えようとします。
この行為こそが無意識に思考へ導いてくれて良いと著者は言います。
『人を動かす』はたしかに読みやすく、エピソードもたっぷりなのですが、致命的な弱点があります。
それは、科学的な実証性に欠ける点です。
古い本なので致し方ない部分もありますが、科学的な実証のないのに『人を動かす』と言われてもね。。。
そんな現代人の声に答えたのが、『影響力の武器』です。
まあ分厚い。とにかく分厚い。この本で紹介されている事象は社会心理学上で実証されたものばかりです。
「返報性の法則」を含む6つの法則を扱い、マーケティングにも使われている本書。
『人を動かす』が論語のように道徳的なエピソードがあるのに対して、『影響力の武器』は悪用される恐れもある本で、韓非子のような毒にもなる本です。
「心をつかむ」には、事例からみていくか、科学的知見からみていくか。
この二冊を読むことでどちらが自分にとって合っているかだったり、どう行えばいいのか判断できるようになるかと思います。
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さいごに
このように各テーマごとに著者がどのように比較検討して読んできたのか。追体験できるのがとても楽しい本になっています。
二冊以外にも参考図書が紹介されるのでついついポチりたくなっちゃいそうで、そういう意味では危ない本でもあります笑