お久しぶりです!おくでぃです。今回は誰かに紹介してみたかった不思議な本をついにお話します。
世にも不思議な辞書
数多くの本と出会ってきたが、特に印象に残っている本というものがある。
読み手を不思議な世界、感覚へといざなってくれる。そんな本がたしかにこの世界には存在する。
どれだけ知名度があるのか不明だが、とっても楽しい本があるので、ついに皆さんに紹介しようと思う。
それが、本書『ぎおんごぎたいごじしょ』だ。
まずは、一ページを開いてみてほしい。
擬音語、擬態語が想念させる豊かなイメージ
一ページ目を開くとこのような文が目の前に現れる。
ぼくのまちはかぜのまち。いつもあたたかいかぜがふいている。
いちにちじゅう、いちねんじゅう、いつもやさしく、ときどきつよく。
そよそよ、ざわざわ、ひゅーひゅー、ごーごー。
ぼくのまちはかぜのまち。ぼくのだいすきなひとたちがすんでいる。
いつもやさしく、ときどきこわく。
のんびり、にこにこ、わいわい、がやがや。
ぼくのだいすきなかぜのまち。
小学生の日記のような文章には、いくつかの擬音語、擬態語が含まれているのがわかるだろう。
「ひゅーひゅーと風が吹く」と表現されれば、激しく風が吹いている描写が心に描かれる。
「ごーごーと雨が降り続く」と聞くと、滝のように雨が降っているんだなと想像がつく。
このように、日本語は実に豊かな擬音語、擬態語をもつ。
擬音語、擬態語のおかげで数少ない文章の中に、意味やイメージを含められることは、日本語の美しさにも繋がっているように思う。
『ぎおんごぎたいごじしょ』は癒やし系辞書
せっかくなので、いくつか紹介してみよう。
まず最初は「がーん」という言葉。
強い衝撃による大きな音。転じて、精神的に強いショックを受けた様子。[類]がびーん
[例文]がーん。リサと違うクラスになっちゃった。
いかがだろうか。このちょうどよい分量に、例文まで付けてくれる親切設計。リラックスして読める辞書。それが本書のすごいところなのだ。
他にも、「うはうは」という言葉をみてみようか。
期待を超える幸運が転がり込み、笑いを止められない様子。特にお金がらみの事例によく使われる。
[例文]新作エリンギパンが大当たり。外まで長い行列で、パン屋のご主人今日もうはうは。
エリンギパンって何だw
ってのはさておき、読むとつい笑ってしまうような、微笑ましい文章で癒やしを与えてくれる。
まだまだたくさんあるので、気になる方は手にとってみてほしい。
まとめ
本書は辞書だが、自由気ままに開いて、そのページに書かれている擬態語、擬態語を味わうのがいいだろう。
可愛らしい写真もふんだんに使われていて、読み手を飽きさせない工夫がそこらじゅうに仕掛けられている。
読むとほんとうにたくさんの擬音語、擬態語があるのだなと思う。
文章を書く人ならば、より文章表現が豊かになるのではないか。そう思える一冊だ。
日本語にしか表現できない世界をとくと味わってもらいたい。