年別アーカイブ:2020年

政治 社会 経済

【書評】『バナナと日本人 ーフィリピン農園と食卓のあいだー』甘いバナナの中身は真っ黒

いつから南国のフルーツであるバナナは、極東の島国でありふれた存在になったのだろう。現在ならば、原宿竹下通りのクレープや縁日の出店で買える串に刺さったチョコバナナなど、バナナは日常よく見かけるフルーツとなった。しかし、戦前の日本では、バナナは贈り物として扱われるくらい高価なフルーツであった。

哲学 歴史

【書評】『多神教と一神教』ー古代地中海世界の宗教ドラマー

時代区分をみてみると、人類の文明史五千年の中で、四千年は「古代」が占める。「古代」は思った以上に分厚く、とりわけ「宗教」は非常に大きな影響を及ぼしてきた。本書が扱う古代地中海世界で、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教といった一神教は誕生したのだ。

東ヨーロッパ 歴史秘話

『フレデリック・ショパン』年上キラーなピアノの詩人

ショパンというと病弱で女々しい印象があるが、少年時代、青年時代は活発的な男の子で常にクラスの中心人物だったようです。物腰柔らかくウィットに富んだ会話に惚れてしまう女性も少なくなかった。

香港とは何か

政治 社会

【書評】『香港とは何か』失われていく境界性と例外性

1997年7月1日は歴史的一日であった。イギリス人自ら「不義にして非道の戦争」とまで言わしめたアヘン戦争。その戦利品としてイギリス人の植民地になっていた香港が155年ぶりに中国に返還されたのだ。

小説

【書評】『フランス文学は役に立つ!』文学が照らし出す日本社会

「これはマズい本に出会ってしまった・・・」そして読了後にそっとスマホを取り出してポチる。類は友を呼ぶが、面白い本は本を呼ぶのだ。いやしかし、文学について一切知らないのにここまで心動かされるのは単純にフランス文学が面白いからなのだろう。

aging

古典

【書評】『老年について』人生100年時代に考える!齢を重ねることのメリットとは?

2021/8/16    , ,

リンダ・グラットン教授が『ライフ・シフト』で衝撃的な発表をした。「人生100年時代」。かつて人類が体験したことのない超長寿社会が訪れると指摘する。始皇帝は晩年、不老不死の仙薬を求めて、世界中に使者を派遣した。

友情について

古典

【書評】『友情について』ローマの賢人が説く友情のすばらしさ

2021/8/16    , ,

友情をテーマに描いた作品は古来よりあったが、死をセットに伴うものであった。『イーリアス』では、親友パトロクロスの死を悲しみ、友の復讐に燃えるアキレウスが描かれた。さらに遡れば、『ギルガメッシュ叙事詩』にもギルガメッシュとエンキドゥとの友情とエンキドゥの死と永遠の命を求めての旅が描かれている。

© 2024 oku-d Blog Powered by AFFINGER5