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コツコツ読み解くアダム・スミスの『国富論』PART3

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国富論3

お久しぶりです!おくでぃです。今回もアダム・スミスの『国富論』を読み解いていきましょう!

おくでぃ
参考コツコツ読み解くアダム・スミスの『国富論』PART2

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第一篇 第三章「分業は市場の大きさによって制限される」

前回は、他の動物にはない人間だけの性向として「交換」があり、各人が得意なことに専念し、余剰部分を交換することで、みんながハッピーな状態にできるというお話でした。

交換ができないと、何でも自分でやらなければなりません。それでは器用貧乏にはなれるかもしれませんが、専門家になるのは難しい。

人間の脳みそが活用されるようになったのは、交換のおかげで、専門性を高められたからかもしれませんね。

今回の三章では、交換する場=市場について見ていきましょう。

市場が大きいほど多様性も増える

「交換する」のと「交換できる」は似ているようで違います。モノを交換する市場の大きさが小さい場合は、取引相手も少なくなるので、交換できない可能性が出てきます。

交換できない=売れない と自分の持っている余剰部分を持て余しますので、生計を立てるために、似通ったものを作らなければなりません。そうすると多様性は減ってしまうのです。

アマゾンのロングテール理論が有名ですが、インターネット上での販売は、世界中の人々がお客様となり得て買うことができます。

市場が世界に広がった状態ならば、どんなにマニアックな製品でも買う人がいれば、生きていくことができます。

すなわち、分業の多様性は、市場の大きさに規定されるのです。

水上輸送が切り拓く市場

アダム・スミスは、陸上輸送以上に、水上輸送を重要視しています。世界四大文明も河の近くで発展しました。河川に沿って、輸送できると、繋がっている地域同士で交換できるので、市場は広がります。

一方、内陸地帯の市場の大きさは、鉄道等、陸上輸送の有効な方法が見つかるまでは、その地域の人口に依存せざるを得ませんでした。

ローマ帝国が「われらの海」と呼んだ地中海は、最大の内海とも言えます。地中海内の海上輸送を管理して、属州と本国を結びつけ、穀倉地帯から都市へ食料を運ぶことで、パクス・ロマーナを実現させました。

ドナウ河もメコン川も多くの国境によって取り分けられていますが、もしも、どこかの国が水源をすべて押さえた場合、水上輸送の利用価値は増すことでしょう。

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▶︎ 数千冊の本に埋もれてる積読家 ▶︎ 古今東西の歴史が好き ▶︎ まれに読書会主催 ▶︎ 餃子が好き ▶︎ HONZのレビュアーになるのが夢

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