ギリシア 歴史秘話

『クサンティッペ』ソクラテスに水をぶっかけた悪妻

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ボーイフレンドのアルキビアデス(イケメン)

ソクラテスには妻の他にイケメンのボーイフレンドがいました。彼の名はアルキビアデス。彼はソクラテスの寵愛を引くためにベッドに誘惑したという逸話も残っています。しかし、ソクラテスは誘いに乗ることなく手を出さずに朝まで過ごしました。それで「プラトニック・ラブ」なんて言葉が生まれているんですね。まさかおじさんと美少年との関係から生まれた言葉だなんて。

話は戻り、彼は怒っていました。愛するソクラテスにがみがみうるさく言う「あの女」に対して。

嫉妬で怒り狂うイケメンに対してソクラテスはこう言いました。

ソクラテス
いや、ぼくはもうすっかり慣れっこになっているよ。滑車がガラガラ鳴りつづけているのを聞いているようなものだものね。そして君だって、鵞鳥がガアガア鳴いているのを我慢しているのではないか。
でも、鵞鳥はわたしに卵やひよこを生んでくれますよ。
アルキビアデス
ソクラテス
ぼくにだって、クサンティッペは子供を生んでくれるよ。

実際に、クサンティッペとの間にはランプロクレスという子供に恵まれました。

クサンティッペVSソクラテス(ラウンド2)

夫婦喧嘩は家庭内で収まればいいのですが、この夫婦ともなればそうはいきません。

あるとき、クサンティッペが、広場でソクラテスの上着まで剥ぎ取ろうとしたときには、彼の友人がこうアドバイスした。

「手で防いだらどうか」と。

するとソクラテスは、

ソクラテス
そうだよね。われわれが殴り合っている間、諸君の一人ひとりが、「それ行け、ソクラテス」「そらやれ、クサンティッペ!」と囃し立ててくれるためにはね。

と答えました。皮肉屋はこうして野次馬に冷水をぶっかけるんですね。

あまりにも喧嘩ばかりしているので離婚を勧める友人も出てきます。

そんな友人に対して、ソクラテスはこう答えます。

ソクラテス
クサンティッペとつき合っていれば、他の人びととはうまくやれるだろう。

妻を褒めているのかけなしているのかわからない変わり者ですが、妻のことはなんだかんだ好きだったんだと思います。

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おくでぃ

▶︎ 数千冊の本に埋もれてる積読家 ▶︎ 古今東西の歴史が好き ▶︎ まれに読書会主催 ▶︎ 餃子が好き ▶︎ HONZのレビュアーになるのが夢

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