生産性ってなーに?
生産性至上主義な現代では、生産性の向上は命(時間)よりも重い。余暇などもってのほか。無駄は省いて生産性向上に力を注げ!
そう言われるといつの間にか目的が手段になるのがこの世の常。はて?なんのために生産性ってあげるんだっけ?
そして、そもそも生産性ってなんだ?
無い袖は振れない
式に表わすと、
参考
生産性=付加価値 / 労働力(人数)
ここで出てくるのが付加価値という言葉。
付加価値とはその言葉どおり、会社が生み出した価値を指す。
ざっくりと以下のように理解しておく。
参考
付加価値額 = 売上 - 他社へ支払う費用
簡単にまとめると、
生産性とは「その企業が生み出している一人あたりの価値」のこと。
生産性が上がる(付加価値が多い)と、利益が多く残ります。
利益が多く残ると給料にさける原資が確保できるので、
給料が上がり、さらに士気が高まります。
こうした幸福なサイクルをつくるためにも、
生産性を上げることに注力していくのが良いのです。
業界によって生産性は天地の差
業界によって「生産性」は大きく異なります。
たとえば、
・飲食サービス業:付加価値額380万
・製造業:付加価値額500万
・不動産:付加価値額850万
給料の原資は付加価値額から出るので、
ここでお給料は決まります。
ゆえに、業界によっておおよその年収が決まります。
※余談ですが、異業種同士が年収を比べることには全く意味がないと思うわけです。
しかし、お金は誰にとっても同じ価値を持ち、誰にとってもわかりやすい指標なので、
つい比べてしまう。そこに不幸は起こるわけですね。
話は戻りますが、サービス業は一般的にこの生産性が低いと言われています。
生産性が低い=付加価値額が低いと、当然給料の原資が少なくなるため、
サービス業は統計的に年収が低いと言われています。
ではなぜ付加価値額が低くなってしまうのでしょうか?
そこには悪魔的3つの理由があります。
生産性向上を妨げる悪魔的3つの理由
1)同時性
サービスの提供と消費が同時に行われる
2)不可分性
サービスの提供と利用が同じ場所で行われる
3)消失
サービスは在庫を持てない
これら3つの理由によって生産性が上がりにくくなっています。
たとえば、製造業の場合、生産活動を調整するために在庫調整が可能です。
一方、サービスに在庫という概念はありません。
サービスを提供する際に、サービスを生み出して消費しています。
レストランなどは、お客さんが注文してからサービス(食事)を生み出して、
ウェイターさんが都度運んで、食べてますよね(消費)。
お客さんがいない間にサービスを在庫保管できません。
お客さんを起点にサービスが動くので、需給のバランスが取りづらく、労働力の調整が難しい。
いきなり忙しくなる場合も暇になる場合も全てはお客さん次第(消費)。
最悪の場合を想定して常に最大人数を確保しないといけないので、
労働力(人数)のコストが大きくなります。
そうすると、さっきの図に戻りますが、
参考
生産性=付加価値 / 労働力(人数)
分子は最大限必要なので、生産性が上がりにくいわけです。
てか上がるわけないやん!
※余談ですが、『ユニクロ潜入』という本で、空いてたらアルバイトのシフトを勝手に減らす描写がありましたが、
生産性の観点からみると意味がわかりました。
じゃあ、どうすりゃいいのよ?
なので、この悪魔的3つの理由をできるだけ避ける、減らすようにしていくしかありません。
1)同時性
サービスの提供と消費が同時に行われる
2)不可分性
サービスの提供と利用が同じ場所で行われる
3)消失
サービスは在庫を持てない
月並ではありますが、オンライン化を進めて、提供場所にこだわらないようにして、不可分性を克服します。
また、コンテンツやストックできるものを量産して、消失を克服し、同時性に耐えられるようにします。
そんな方向性が良いのかなと思います。
最後に
というわけで生産性について聞いた話をまとめてみました。
個人的にはあんまり生産性を意識して働いたことありませんでしたが、
生産性を上げることがどう繋がっているのか理解できた気がします。
この悪魔的3つの理由を克服できるように日々の仕事に努めたいと思いました。