お久しぶりです!おくでぃです。今回は珈琲の世界史です。私はゴールドブレンド派
コーヒー大好き日本人
仕事に励んでいる社会人にとって合間の気分転換は大事だ。ある人はタバコを吸い、ある人はコーヒーを飲むことだろう。
何気なく飲んでいるコーヒーだが、その起源やできるまでの過程はご存知だろうか。
データでみると、コーヒーは水・お茶に次いで、世界第三位の飲み物。平均すると日本人全員が毎日1杯は飲んでいるほど消費大国だという。
著者について
そんなコーヒーだが、一般的な通史はこれまでなかった。「ないならば自分で書いてしまえ」と実際に書いてしまう著者が恐ろしい。
著者の旦部氏は、理系人間で、普段は微生物やがんの研究を行っている研究者。
コーヒーノキの品種について調べていたことをきっかけにコーヒーにハマり、自分で淹れたり煎ったりするだけでなく、コーヒーに関する書籍文献は1000冊にも及ぶらしい。
ブルーバックスからでた『コーヒーの科学』が好評を博したのも記憶にあたらしい。
『コーヒーの科学』では紙面の都合上、描けなかった歴史部分をまとめたのが本書である。
本書『珈琲の世界史』は、コーヒーを毎日飲むような人には是非読んでほしい一冊。歴史を知れば味が変わる。
コーヒーに限らず、食べ物の歴史を知ると、その一杯を飲む際に、みえてくる背景が変わるので、一度お試しあれ。
カルディ起源説
コーヒーショップとして有名なお店にカルディがある。伝説上、カルディという少年が最初のコーヒーとヒトの出会いのエピソードとして挙げられることに驚く。
ある日、カルディというヤギ飼いの少年が、ヤギを山へ連れて行くと、興奮したヤギは駆け出していった。
何がヤギを興奮させたのか。みてみると茂みに実っていた赤い実を食べていることに気がつき、カルディも一口食べてみることに。
食べてみると、なんだか楽しい気分になって、ヤギと一緒に飛び跳ねて踊ったという話。
よくみたら、カルディの絵にはヤギが描かれていた!そして赤い実もある!
ブルーボトルコーヒーの元ネタ
コーヒー界のAppleとして黒船のごとく来航したブルーボトルコーヒー。西海岸のあいつのせいで失敗した気がするが、ブルーボトルという単語はある歴史のエピソードからきている。
時代がさかのぼり1683年。オスマン帝国は宿敵ハプスブルク家の首都ウィーンを包囲していた。
2度目の包囲で、今回こそは陥落させたいオスマン帝国だったが、2ヶ月後に駆けつけた西欧側の援軍によって退却を余儀なくされた。
第二次ウィーン包囲には一人の英雄の活躍があった。彼の名はコルシツキーというポーランド人兵士。
彼はトルコ人に化けて、敵軍の間を駆け巡り、援軍と街内の人々に情報を提供して勇気づけた。
彼の活躍もあり、オスマン帝国を追い払ったあとに、トルコ人が残していった、金銀財宝とともに、コーヒー豆も恩賞としてもらったのだ。
その後、彼がウィーンでオープンしたカフェの名前が「青い瓶の下の家」
実はコルシツキーよりも先にアルメニア人のヨハネス・ディオダートがカフェを開いたが、いつの間にかコルシツキーの功績となっている。
ウィーンのカフェでは、彼の肖像画が飾られ、コーヒーポットとカップをトレイに乗せた彼の銅像も拝めるそうだ。
彼の「青い瓶の下の家」は死後、廃業したが、その名前を受け継いだのが「ブルーボトルコーヒー」なのである。
コーヒー飲んだら死刑??
本書は合間にあるコラムも素晴らしく面白い。中でも傑作なのが、厳しすぎるコーヒー禁止令だ。
ヨーロッパよりも先にコーヒーの美味しいに目覚めたオスマン帝国。最も過激なコーヒー禁止令がイスタンブールで実施された。
どんなルールかというと、「1ストライク・アウト」
つまり、一度でもコーヒー飲んでいるのが見つかれば死刑。恐ろしすぎるだろ。。。
さすがに厳しすぎて批判があったのか、当局も基準を下げてくれた。
「2ストライク・アウト」
1回見つかった際には、杖で叩かれるので命は助かる。なんと優しいのだろうか。しかし、2回目に見つかった際がひどい。
2回目は袋詰めにして海に沈められる。。。どこぞのヤクザじゃないか。。。
コーヒー大好きなオスマン帝国でなんでこんな禁止令が出されたのだろうか。
実は政敵排除のために使われた禁止令だったのだ。
もともと反権力主義者であったはずのスーフィ教団が、世俗の君主に懐柔され、癒着していった。
水タバコやコーヒーにうつつを抜かすスーフィ教団に対して、怒りをみせたカディザデリーというイスラム原理主義が台頭。
実権を握った彼らは、汚物を消毒するために、コーヒーやタバコを禁止にし、違反者をどんどん粛清していったというわけ。
まだまだ溢れるコーヒーエピソード
この他にも、著者が紹介してくれるコーヒーにまつわるエピソードはどれも面白い。
コーヒーを愛する人ならば、きっと誰かに話したくなる。そんなエピソードが満載だ。
まとめ
本書はコーヒーと人類の出会いからはじまり、スペシャリティコーヒーを経て、サードウェーブコーヒーが流行っている現代までの通史となっている。
紅茶で有名なリプトン卿やナポレオン、スターバックスなどお馴染みの単語もでてきて、最後まで楽しく読めた。
そのまま飲んでも美味しいコーヒーにもう一味加えたい人は是非手にとってみてほしい。
おすすめ書籍
↑今回紹介した本。
↑同じ著者の前作。コーヒーの美味しさを科学的に知りたい人は必読。
↑本書が出るまえは、この本がまとまっていて面白かった。
↑コーヒーの物語のダークサイドを知りたい方はこちらを。
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